レースの数だけドラマがある~競馬って面白い
「いやー、映画って本当に面白いですね、素晴らしいですね」
この口癖で映画解説をしたのは水野晴夫さんでしたっけ。
それとも淀川長治さんだったかな。
どちらにしてもシンプルで分かりやすい表現でした。
映画に興味がない人もこのフレーズで引き寄せられるような、そんな魅力を与えてくれます。
競馬も面白いし素晴らしいですよ。
馬券が売られていますからギャンブルのイメージが強いのは仕方がないことです。
公認ギャンブルですから、それは否定しませんし私も実際に買っていますからね。
でもそういった部分以外にも競馬は面白いといえます。
先日のジャパンカップも強い馬が恥じないレースを見せて、それだけで感動の涙を流したファンの方もいます。
強い馬が力を出し切るのも良いですし、逆に「まさかこの馬が勝ってしまうのか」という波乱に満ちたレースで感動するのも楽しいです。
番狂わせ、ジャイアントキリングといったことが度々起こるのも競馬。
そこには予定調和なんてありません。
で、なぜ今日この話を書いているのかというと・・・。
日曜日のレースでとても不思議なことが起きたからです。
中山10Rでスギノヴォルケーノがスタート直後に騎手を振り落として落馬。
この瞬間、競走中止の扱いになります。
騎手を乗せずに空馬の状態で追走しているスギノヴォルケーノは馬群の後方に位置しています。
4コーナーを回ってようやく中団あたりにつけます。
直線に入ってからが圧巻でした。
前方が馬群の壁になっていると悟ったその時、進路を外に向けます。
進路を切り替えた時、他の馬に一切邪魔をすることなく外に持ち出しました。
前方が開くと正真正銘の1着争いを尻目に堂々と差し切り、幻の勝利を収めることとなりました。
見事な進路取りで
「騎手なんていない方がスムーズに走れるのではないか」
という声が上がっているのも事実です。
馬は気持ちよく走りたいのに騎手がそれを邪魔して、結果として馬の能力を引き出すことができずに負けてしまうというレースも起こっていますからね。
とにかく馬は賢い生き物なのだ、と改めて感じさせてくれました。
同じく日曜日、中京の12R尾張特別ではヒラボクメルローが鮮やかな逃げ切り勝ち。
久しぶりに後続に影を踏まさない逃げ切りを見せてもらいました。
ヒラボクメルローも大逃げを打とうと思っていたわけではなくて他の馬が先手を主張してこなかった事情がありました。
そのせいか前半1000メートルを62秒で通過するというスローペースに。
後続馬は恐らく1000メートルを65秒ぐらいで進んでいったかと思われます。
2番手以降の馬に騎乗していたジョッキーのペース判断がどうだったのか。
評価がしづらいのですが、楽々と逃げ切りを許したのは褒められる騎乗ではなかったと思います。
そういった細かい描写は置いておくとして。
取り上げた2レースを見ても競馬は不確定要素がたくさん詰まった面白いものだというのが伝わるでしょう。
(伝え方が下手なのはほっといて・・・)
他には直線届かない所からの怒涛の追い込みだったり、2頭が鼻面を揃えてゴールインしたりレースの数だけドラマがあるといってもおかしくないですよね。
事実は小説より奇なり
この言葉があって良かったです。
筋書きのないドラマ、これが毎週(地方競馬を含めたらほぼ毎日か)見られるのですから楽しくなりますよね。
今週末、有馬記念やホープフルS、中山大障害等々筋書きのない48本のドラマが見られます。
2020年最後の感動を分かち合いたいですね。
時間が迫ってきました。
それではまたお会いしましょう。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ♪